「健康志向」の食品があふれる現代。

しかし、クローン病など炎症性腸疾患の方にとって、 一般的に“体に良い”とされる食材が、腸には刺激となる場合があります。

例：腸に負担をかけやすい“意外な健康食”

○ナッツ類・雑穀米：食物繊維が多く、炎症部位を刺激しやすい

○ヨーグルト：発酵食品だが、個人差により下痢や腹痛を誘発することも

○野菜サラダ：非加熱の繊維が強く、消化管に負担

○オリーブオイルの過剰摂取：脂質が多いと免疫反応が強まり炎症が長引く場合も

健康番組やネットの情報をそのまま取り入れると、 「体に良い」つもりで「腸を痛める」リスクがあります。

クローン病は同じ診断名でも、炎症の部位や腸の状態が人によって違います。
つまり、「あの人に良かった食事」が「あなたに合う」とは限りません。

大切なのは、自分の腸の声を聞くこと。

食後の変化（痛み・便の状態・体温）を観察し、 自分に合う食材を少しずつ見極めていくことです。

💡ポイント：日記をつけるだけで「自分の腸のパターン」が見えてくる 例）

「○○を食べたら翌日腹痛」「△△は体が軽い」など、 一覧化すると寛解期を維持するヒントが得られます。

最新の研究では、ストレスや感情の乱れが腸の炎症に影響することも分かっています。
腸と脳は神経とホルモンで密接につながっており、
「ストレス → 自律神経の乱れ → 免疫バランスの崩れ → 炎症悪化」という連鎖が起きやすいのです。

そのため、治療だけでなく、
「心の回復」も寛解期を長く保つ鍵になります。

リラックスできる音楽を聴く、
自然の中を散歩する、
自分を責めずに「今日はこれでいい」と言ってあげる――。

そんな小さな習慣が、腸にとっては最高の治療薬になります。